2012年 07月 19日
Petits oiseux(プティット オワゾー)と旅する紅茶 |
この前、社長のRicaさんにお会いした時、南部鉄器のPetits oiseux(プティット オワゾー)を見せてもらいました。
Oiseuxとは、フランス語で鳥の意です。飛び交う鳥の模様の彫られた、しゃれたポット敷です。じっと眺めていると、だんだん鳥の模様が鳥でないように見え、さらにもっと眺めていると、ふたたび鳥に見えてきます。そういえば、4,5年前に千鳥柄が流行りましたが、一つ一つの模様をたどってみると、白黒模様の図と地が絶えず反転して見えます。簡潔に意匠化された模様の面白くて優れたところだと思います。
前に大学の先輩に誘われて、探鳥会(たんちょうかい)に参加したことを思い出しました。そこでは双眼鏡を片手に、みんなでたくさんの野鳥を観察するのですが、私はドバトとキジバトの違いをわかっただけでも大満足でした。
双眼鏡を通して鳥を眺めていると、なんだか不思議な思いをしました。それはムクドリだったりアオサギだったり、私が以前から知っている鳥たちなのですが、双眼鏡越しだと、彼らの羽の細かい模様や目の周りの縁の色まではっきりと鮮やかに見て取れます。いつもの鳥たちの、思いがけない生々しい存在感に、日常の中の非日常を覗いた気分になりました。
Petits oiseux(プティット オワゾー)の小鳥たちを眺めながらそのゆらゆらした感覚を味わっていると、弾みでふらっと日常を飛び越えそうな、けれども留まっていたいような気分に駆られます。
こんなときは、さわやかな味わいの「旅する紅茶」と一緒に、日の落ちる前の夏のひとときをゆったりと過ごしたいですね。
けいこ
by au-dela_des_mers
| 2012-07-19 10:57
| 南部鉄器にまつわるお話